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先日ですが、「SHORT PEACE」の初日舞台挨拶に行ってきました!

「AKIRA」でお馴染みの大友克洋さんをはじめとしたクリエイター陣による、
オムニバスプロジェクトの「SHORT PEACE」。
大友作品をリアルタイムで、劇場で見るのは初めてでもうわくわく。
本当は前売り券(特典が魅力的で)買って見に行くつもりだったんだけど、
買おうと検索したら初日舞台挨拶のチケットがあったので
初日の初回に見に行くことに。
世界の大友を見れるチャンス!!を逃すわけにはいかないですから。

でも、ピカデリー公式サイトでチケット予約したんだけど、
自動で振りわてられるからまーーーくそみたいな席しかない。
登壇した監督たちを見たかったから前方が良かったんだけど、
仕方ないので、後方の出来るだけ真ん中の席を予約。
まぁ、だけど結果よかったかも。
後方の方がスクリーンが見やすかった気がする。あの映画館。

登壇者は、バンダイナムコの偉い人、大友監督、
「FREEDOM」でやってらした森田修平監督、
「鉄コン筋クリート」の安藤裕章監督、
ガンダムのメカデザインやってるカトキハジメ監督の5人。
鉄コン筋クリートは、重ね重ね言ってますが
わたしのアニメーションに対する感覚を変えた作品なので、
ナマ安藤監督にも大興奮。
森本(晃司)さんも是非拝見したかったので、そこは少しだけ残念。



MCの女性に「短編の魅力は?」と聞かれ「短いとこですかね~」と大友監督。
もう爆笑。大友さんって思ってたよりお茶目だ。
でも、「インスピレーションのままに作れるから面白い」と仰ってナルホドと。
確かに、長編のような組み立てが必要ない分、
自分が感じた衝動をそのまま具現化できるのが短編の魅力だ。

安藤さんが
「説明は全部省いてしまっているから。あとはお客さんがどう感じるかで」
と仰っていてそれも本当に短編ならでは。
もちろん長編でもそういうものもあるけれど、
でもそれを長編でやると、見たあとの印象って結構悪いと思うんだよね。
だけど、短編なら丸投げでも勢いそのままに素直に感じて消化できる。
大友さんの「インスピレーションのままに」ってのは、
製作者だけではなく観客も同じだと思うの。

カトキ監督が、
「フィギュアを作りたかったんで(そしたら監督もやることになった)」
って言っててそれも面白かったんだけど、
カトキさんが実際作ったゴンク(武器よさらばに出てくる戦車型無人兵器)が
期間限定で劇場に置いてあるというので、撮ってきました。

大興奮。カッコいい!


これは後ろからね。

でもこれはあくまでも試作で、
樹脂が弱いのでいつ壊れるかわからない、から期間限定なのだそうです。
もっと特別な意味合いがあると思ったら、そんな理由かよ。笑
でもってそれを聞いた大友さん、
「え!?壊れるの!??あとで貰おうと思ってたのに!」
いや、確かにこれ欲しい。欲しいよ。

それぞれの作品の共通のテーマは日本。
海外の映画祭がきっかけでこのプロジェクトが発足したそうなのだけど
短編をやるなら時代物がやりたかったし、震災の影響もあるし、と。
それぞれの作品で、過去の日本、そして未来の日本を描いているのだけど、
4作品あわせて1本のひとつの日本を描いた作品、になるのだそうな。

この日はちょうどジブリの「風立ちぬ」の初日で、バッティングしてたんだけど、
バンダイナムコの偉い人は、「こういうアニメがあってもいいんじゃないかな」と。
でも、わたし、前の4℃のオールナイトに行って本当に痛感したけど、
子供向け、オール年齢向けのアニメには食指が動かない。
やっぱり大人向け、しかも、海外の人間が見ておぉ!と思うもの。
それがわたしの映像に対するひとつの指針でもあるから、
風立ちぬはものすごい動員数・評価を得てるけど、全然興味がわかない。
それよりも、尖っていて実験的な映像を見て、しびれたい。

オープニングは森本さんの作品。
不思議な世界観。これから何が始まるんだろう、とわくわくする。

そして一発目は森田監督の「九十九」。
無人の祠に現れた、
使い古され捨てられた傘や生地や食器やらの怨念が生んだ物怪の話。
テーマは感謝なのかな?
祠に立ち寄った男が、その怪たちの母体である粗大ゴミ(笑)を修繕して、
「今までよく頑張ったな」って労う。
話と演出はまったく面白くなかったんだけど、
色彩が綺麗だった。
この「SHORT PEACE」は全作品オールCGなのだけど、
マテリアルとして折り紙を使っているそうで。
これがなんとも言えない質感を出していて、それはとても素敵だと思った。

大友監督の「火要鎮」は圧巻だった。
江戸時代、幼馴染だった男と女が、いろいろあって別れ別れになる。
男は家を勘当され火消になり、
女は他の男と親が勝手に結婚話を進め、枕を涙を濡らす日々。
女は自暴自棄になって部屋にこもっていると、
ふとしたきっかけで部屋の行燈が燃える。
ここで、すぐに人を呼んで、火を消せばなんてことはなかったはずなのに、
このまま火事になれば…と考えた女は、すっと障子を閉める。
轟々と燃え上がる火はたちまち家を包む。
あの時代の火事はひとつ起きるとたちまち江戸中が火の海になる。
火消たちがやってきて必死に火事をおさめようとするんだけど、
そこで屋根に登って逃げている女を、火消になった男が見つける。
男はなんとか助けようと、女もやっと会えた恋しき人に助けを求めるが、
二人の間を炎が邪魔をする。

とにかく、これは圧巻。
話自体はそこまで特異なものではないのだけど、魅せ方だなぁ。
間合い、アングル、ひとつひとつが凄い。
最初は絵巻物のような平面の構図。アニメなのに!CGなのに!
そして火事になった時の、炎の恐ろしさ。でも、恐ろしいけど美しい。
もう前のめりで息を呑んで夢中で見ていました。

お次は安藤監督のGAMBO。
少女を襲う鬼と、少女を助ける熊の戦いの話。
泣けた。これもそこまで難しい話じゃないのに、くやしいが、切なかったよ…
キャラクターがとにかくかわいかった。
ちなみにこのキャラ原案は、エヴァの貞本さん。もうイチイチ豪華。
そして侍の声がえらいカッコいい。
と思ったら、侍の役、ヘモ川…いえ、浪川さんだったわ。
浪川さんってさ…本当にあの人声幅があるよねぇ。
Kのシロとか、ヘタリアのイタリアとかから、アザゼルさんのアクタベさん、
そしてレオナルドディカプリオ…
ちなみに浪川さんはETの少年役の人です。
他にももう挙げていたらキリがないくらい名だたる映画の声あててる。
気付かないだけで日本中の誰もが見ている映画の吹き替えしてるんだよね…
あんなに漢字読めないのに。
(「閑話休題」が読めない。「魑魅魍魎」も読めない。
 「井」も読めない。「井」だよ、あの人「井」を「丼」って言ったんだよ!!)

最後はカトキ監督の「武器よさらば」。
これは大友さんの漫画が原作ですね。漫画読んだことない。
大友さんの漫画、廃刊になってるのも多くて、結構探すの四苦八苦してます。
未来の日本で、砂漠化した東京を舞台にした戦闘モノ。
とにかく戦闘シーンがカッコいいんだ!
兵器のデザインがそもそもカッコいいんだけど、アクションの見せどころがもう。
そんでもって人間味あふれていて、ユーモアもたっぷり。
最後、パンフレットを差し出すシーンが最高に好き。
超笑った、けどあれ、完全に皮肉なんだよなぁ。
サイコパスの「機械ならではの融通の利かなさ」も、
こういう作品からインスパイアされてるんだろうな。
これは痛快だった。娯楽作品としても、映像作品としても、超面白かった。



1作品+4作品を見終えて感じたのは、
アニメーションってすごい自由なのだ、ということ。
映像表現としての可能性を実写と比較にならない程に持ち合わせている。
そして日本はその最先端にいる。
ジャパニメーションの凄さをひしひしと考えさせられた。

会場には多くの外国のお客さんが。
上演後はみんなパンフレットを片手に満悦顔。
世間は本当に「風立ちぬ」一色で
「SHORT PEACE」は話題にも上らない(少なくともわたしのまわりでは)けど
本当に、見てよかったです。貴重な体験。
リアルタイムで見れて、本当にうれしい!
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東京都出身。現在は都内某歓楽街の横にひっそり住んでます。
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偽善はきらい。そして散財家です。

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